英語学習に長期間取り組んでいても上達を感じ難いのなら
思い切ってアプローチを変えてみると上手くいく
誰もが一度はぶつかる壁ですが、そんな時どのような方法で状況を打破しようとするでしょうか。
自分がこだわってきたやり方には誰しも愛着があります。
できることなら、これまで通りのやり方で、少しずつ改良を加えながら進んで行こう、そう考える人は多いと思います。
これまでの方法で上手く行くと思えれば、そのまま進んで行ってください。
「でも、もしかしたら、この方法では上手く行かないかも?」という考えが少しでも頭をヨギったなら、大幅に方向変換してみませんか。
英語への取り組み
「読み」「書き」を中心とする英語
日本の学校で習う英語科目は、これまで、受験にも役に立つ「読む」「書く」力に照準をあわせてきました。
授業では、構文を教える必要性から、生徒に長い文章の読み書きを指導します。
これは、海外の文献から情報収集したり、論文やエッセイを執筆するためには不可欠な力です。
その甲斐あって、日本で英語教育をうけた人の基礎的な英文読解力は、世界的な水準よりも高いと言われています。
世界の潮流
これは、まさに日本の英語教育のプラスの側面だと思います。
インターネットが普及した現在では、さまざまな情報を英語のまま取り込むことができれば、それは強味になります。
なにしろ世界で約15億人ものひとが英語を使って情報発信している現代です。
しかし、話し言葉では、すこし事情が変わってきます。
「 英語の読み書きは比較的得意だけれど、聞いたり話したりはちょっと苦手」
そう話す人にこれまで何十人も会ってきましたが、日本の教育制度から考えれば必然でもあります。
仮に「聞く」「話す」ことが苦手であったとしても、本人の努力とは無関係です。
これまでとは異なるアプローチ法の見分け方
「聞く」「話す」を中心としたアプローチ
それでも、世界でもっとも勤勉とも言われる私たち。
英語を「聞き」「話せる」ようになりたいと、日々努力を続けている人は多いと思います。
目標に向かって進んでいると、進捗状況が気になります。
できれば、進み具合をチェックする指標がほしい、そう思いますよね?
語学で上達したと実感しやすいのは「聞ける」「話せる」であることが多いため、「読める」「書ける」ようになるためとは異なったアプローチが必要です。
そこで、従来の勉強法ではなかなか英語の上達を実感できないのであれば、「カリキュラムを大幅に変更」してみてはどうでしょうか。
具体的には、「聞く」「話す」に特化した訓練ということになりますが、現在の英語レベルによってアプローチが異なります。
現在のレベルごとにアプローチを変えてみる
レベルごとにアプローチを変えるには、指標が必要です。
学習の進み具合をチェックするには、過去・現在・未来の状況を比較するのが一番。
過去のデータがあればなお良いのですが、通常はあなたが意識した時点、つまり現在から先の比較になると思います。
そこで、現在の状況を確認します。
まず、下の表で現在のレベルをチェックしてみましょう。
6 | 【ネイティブレベル】 | CEFR C2 ほぼすべての話題を容易に理解し、その内容を論理的に再構成して、ごく細かいニュアンスまで表現できる |
5 | 【超上級者】 | 英検1級またはそれ以上、CEFR C1 幅広く複雑な話題を理解して、目的に合った適切な言葉を使い、論理的な主張や議論を組み立てることができる |
4 | 【上級者】 | 英検準1級〜1級、TOEIC860点以上、CEFR B2〜C1 幅広く複雑な話題を理解して、自分の専門分野について技術的な議論ができる 人によって、B2に近い場合とC1の場合に分かれる |
3 | 【中上級者】 | 英検準1級、TOEIC730〜860点、CEFR B1~B2 社会生活での幅広い話題について自然に会話ができ、明確かつ詳細に自分の意見を表現できる |
2 | 【中級者】 | 【中級者】英検2級以上、TOEIC550〜730点、CEFR B1 日常生活での身近な話題について理解し、自分の意思とその理由を簡単に説明できる |
1 | 【初級者】 | 【初級者】英検3級〜2級、TOEIC400〜550点、CEFR A1〜A2 日常生活での身近なことがらについて、簡単なやりとりができる |
*CEFRとは、「ヨーロッパ言語共通参照枠:言語能力を測る枠組み」。A1~C2の6つの等級がある:A1/A2レベルは「基礎段階の言語使用者」、B1/B2レベルは「自立した言語使用者」、C1/C2レベルは「熟達した言語使用者」であるとされる([出典:ブリティッシュ・カウンシル] 詳しくは「CEFRと言語レベル」を参照)。
レベルの分け方は、サイトによって(超初級、準中級、準上級を設けている場合などもあり)まちまちなので、あくまでも当サイト利用時の目安としていただきたいのですが、感覚的にはこのような区分になります。
ネイティブレベルと上級者との間にはもう一枚見えない壁があるってこと?
また、このレベルになると実はTOEIC L&R (リスニング&リーディング テスト)では計測不能です。
たとえば、900点台では、リスニング・セクションは満点であることも多いため、後は知力と体力勝負ともいえるリーディングの点数に結果が委ねられます。
英語の資格試験を受けたことがあれば、現在のレベルを確認しやすいと思います。
資格試験を受けたことがない場合には、各レベルの説明文であなたの現状に一番近いものを選んでみてください。
学習に行き詰まったときの解消法
学習に行き詰ったときは、通訳法をとり入れてみる
さて、現在のレベルを確認したところで、中級者以上の方には画期的な学習法をご紹介したいと思います。
通訳の訓練法をとり入れる方法です。
初めのうちは思うようにいかないかもしれませんが、徐々に慣れてきます。
現在より1段階上のレベル向けの訓練法をとり入れることで、現状打破と飛躍的な上達を期待できます。
通訳訓練法はほかにもいろいろありますが、
今回の方法はインプット=「聞く」とアウトプット=「話す、口に出す」に特化しています。
なお、初級者の方はやはり1段階上の「NHK英会話」で、基礎力をアップすることから取り組むとよいでしょう。
レベル別の訓練法
ここからは、具体的におすすめの方法です。
- 【初級者】には、「NHK英会話」を視聴して、英語そのものに慣れるためのインプットとアウトプットを交互に繰り返すことをおすすめします。
- 【中級者】には、通訳訓練法の一つである【シャドーイング】をとり入れることをおすすめします。
- 【中上級者】には、通訳訓練法の一つである【リプロダクション】をとり入れることをおすすめします。
- 【上級者】は、超上級者と何が違うのかを見極める必要があります。おすすめは通訳訓練法の一つである【パラフレージング】をとり入れることです。
- 【超上級者】は、ひたすらネイティブ(特に知識者層)が読んだり聞いたりするコンテンツを同じように見聞きして、アウトプットを重ねていくしかないでしょう。
注: 通訳法と言っても、通訳になりたい人だけを対象としているわけではありません。学習法として優れており、プラスαの効果が期待できるため、おすすめです。
それぞれのやり方は次のとおりです。
このページでは、「聞く」「話す」に特化した訓練法をご紹介しました。
学習に行き詰ったときは、こうした通訳法をとり入れることでパッと視界が開けることがあります。